総門及び廻廊

519 ~ 519
総門は自然石の礎石の上に角柱を建て、蹴放しをつけ方立を建て、内法貫を通し根肘木で支えている。桟唐戸を藁座建としているが、蹴放し付きのところは後補のものである。柱上に軒桁をのせ梁を渡し、束建てで棟木を受けている。両側に廻廊が取り付いていて、梁の構造は外見では分からない。天井は竿縁天井で、屋根は茅葺に箱棟をのせ、薄い簡単な鬼板をつけている。破風板は直線で、箕甲は深くとっている。
 廻廊は、面皮の柱で土台の上に建て、礎石は自然石である。正面は石積の基壇で土台を廻し、腰は堅板張りで、内側は吹抜きである。床は上間叩きで、控柱は丸太掘立である。柱上に丸太梁を組み軒桁をのせ、丸太の会拳を組み野棟木をのせた至極簡素な構造で、天井は屋根裏見出しである。屋根は茅葺で両下造り、棟に箱棟をのせている。
 総門、廻廊共簡素な建築で、本堂、座禅堂、庫裡、鐘楼等と共に一連の完備された禅宗の建築で、精神修養の道場入口にふさわしい建造物である。