さて「玉藻の前の古墳」であるが、『那須郡誌』には次のように記してある。
「川西町(黒羽町)大字蜂巣の西北隅、金田村(大田原市)大字小滝との境界線に狐塚(こつか)(又きつね塚)と称する円墳がある。蓋し本義は古塚(こづか)であるのを、九尾の狐の伝説を生んだ篠原地内にあるので、狐塚と書し、やがて「きつね塚」と訛(なま)ったのである。併し古き絵図面には狐塚とある為め、小滝村方と秣場境界論に、尾多賀村(蜂巣)に属する塚だと主張して、大岡裁(さば)きに勝訴となったのは或は嘘から出た誠ではなかろうか」
2 玉藻の前の古墳