②祭礼社地飾り・流鏑馬舞楽式(略)

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鎮国社祭礼のときの社地の飾り方と、流鏑馬舞楽式の概略を参考のため次に誌す。
 鎮国社祭礼の時、社前階下に『四神の幡』を立てる。左右の玉垣の中に弓掛けを作り、『弓』十張、『靭』十、『腰袋』・『甲冑』廿宛を左右に飾り分ける。
 本社の左、具足飾り前に縦六尺横四尺位四方に竹を立て『幕』を張り、『具』と『陣太鼓』・『銅羅』を置き、その下座に竹を弐本立て笠木を渡し「鳥」を置き本社の御門左右に『半月』の旗三本と二本を分けて立てる。
 御門玉垣の外、左右に『鉄炮』二〇挺宛、『玉薬箱』を置く。玉垣の両端辺り鳥居の方左右に『長柄』一五本宛立てならべ、その間に『祭礼の旗』を立てる。後側三尺位の地に三間四面の『舞台』を定め、舞台より七間隔てゝ、三鼓三管の『楽屋』を立てる。楽屋は三間二間。『陣小屋』を仮りに立て、天幕を張る。三方幕で、楽奏時に二か処で絞り上げる。楽屋の左右と後は見えざる様幕を打ち、伶人の装束、馬場処と定める。楽屋の左右と後は固めとして、徒目付楽屋の左右一人宛、後ろへ二人たてる。
 流鏑馬行は、歩射礼の通り本城で仕度し社地に赴き、社地近き所で下馬し、神拝すること等は、万事歩射礼の通りである。
 神拝中に馬を社頭の御門際にひかせ、社頭を退き場末に壱列で乗りゆき、場末に馬を立てる。
 壱人宛矢を放つ。的は神前右の方へ弐ヶ処に立てる。的数は矢壱本に的一ツ宛板にて拵える。そして中(あた)り不中に依らず的を立て替える。射手装束は、笠明着当弓小手当〓弓、矢腰に三本指行、・〓鞭を持つ。介添役は素袍烏帽子。的かけ役人は上下である。
 舞楽の時は始める前に三管・三鼓を置き、幔幕(まんまく)の前に鉾を四本立て並べ、吹く頃に幕をあげ、役人が前に出て幕を絞り上げ、糸で繰る。次に伶人が壱人出て鉾を取り、『振り鉾』を舞う。その後三曲の舞楽を奏して終る。(『創垂可継』「三社礼式」による)