1、明治二十二年の衆議院議員選挙法

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 この法律によると、衆議院議員の定数は三百人とされ、一選挙区に一人の小選挙区制を採用しており、全国は二百五十七の選挙区に分けられていた。
 選挙権は、満二十五歳以上の男子で、その府県内で二年以上(所得税の場合は三年以上)直接国税を十五円以上納める者に限っていた。被選挙権については、満三十歳以上の男子で、選挙権と同じ納税要件を満している者とした。この法律により行われた明治二十三年七月の第一回衆議院議員総選挙における有権者は約四十五万人で、当時の総人口の約一・一パーセントにすぎなかった。選挙区は一人一区の小選挙区制で大体郡および市が一選挙区となった。
 まれに一選挙区から二名を選出するところもあったが、その場合は二名の氏名を書く連記投票制であった。
 投票は被選挙人の氏名を書くほか投票者自身の住所、氏名を書く公開投票制であった。