明治三十三年(一九〇〇)に選挙法の全面改正がなされ、議員定数を三百六十九人に増員し、選挙区を府県単位の大選挙区制とし、別に市を独立の選挙区とし、これにより全国は九十七の選挙区となった。市を独立の選挙区とした結果、かりに人口三万でも議員一人を選出することができ、農山村地域にくらべ都市の商工業地域が有利となったわけである。
選挙資格の納税額の制限を十五円から十円以上納める者としたので、有権者数は一挙に従来の約二倍の百万人に増加した。また被選挙権については納税要件を廃止することとした。
投票方法も公開制を廃して、投票者の氏名を書いてはならない秘密投票制を採用した。買収、暴力などの実質的選挙犯罪のほかは、選挙運動になんらの取締規定もなく、まったく自由であった。