公職選挙法は昭和二十五年に、従来の衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法、それに地方自治法のなかの選挙関係の規定を綜合する形で制定された。その後数次の改正がなされたが、現在の選挙制度として続いている。
また市町村には農業委員会が置かれるが、この農業委員会の委員の選挙は、市町村の選挙管理委員会が管理執行し、公職選挙法の定めが準用される。その他、各種の選挙に関する最も基本的な法律である。
(1)選挙権 被選挙権
ア選挙権 衆議院議員及び参議院議員の選挙、日本国民で年齢満二十歳以上の者に選挙権がある。
○地方公共団体の議会の議員及び長の選挙、日本国民で年齢満二十歳以上の者で、引き続き三カ月以上その地方公共団体に属する、市町村の区域内に住所を有する者。
○都道府県の議会議員及び長の選挙については、同じ都道府県の中で他の市町村に住所を移した場合、前の住所地から引き続き三カ月以上経っていれば選挙権はある。
イ被選挙権 被選挙権を有する者は、日本国民で次に該当するものである。
○衆議院議員、年齢満二十五歳以上の者
○参議院議員、年齢満三十歳以上の者
○都道府県の議会議員。その選挙権を有する者で年齢満二十五歳以上の者
○市町村の議会の議員、その選挙権を有する者で年齢満二十五歳以上の者
○市町村長、年齢満二十五歳以上の者
禁治産者や刑務所等に入所している者は、選挙権及び被選挙権が無い。
ウ選挙人名簿の登録
○定時登録 毎年九月一日現在で、引続き三カ月以上、同一市町村に居住し(住民登録)その年令が満二十歳以上になる日本国民を、九月二日登録する。永久選挙人名簿と呼ばれている。この名簿は、すべての選挙に用いられる。
○選挙時登録 定時登録後選挙を行う場合は、選挙時登録を行う。
○補正登録 当然登録される可き者が登録されていない場合補正登録がされる。
○黒羽町の昭和五十六年九月二日現在の登録者数は 男子、六千百八十五人、女子、六千五百十五人、計一万二千七百人で、前年同日より、男子、五十二人、女子、三十三人、計八十五人の増となっている。
エ衆議院議員の定数及び選挙区数
公選法第四条のさだめによって、定数は、四百七十一人、選挙区数は、百十八区となっているが、後奄美群島の復帰、昭和三十九年、昭和五十年不均衡是正が行われ、現在定数五百十一人、選挙区数は百三十区となっている。