(1)農村の経済恐慌

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昭和に入ってからの林業は、前期と後期に区別される。大正末期にはじまった経済恐慌は、昭和に入って益々深刻化し、昭和五年には、栃木銀行、矢板銀行、下野中央銀行が相続いて休業し、加うるに六年より九年にかけて米作は不作で、県内の窮状をみても、倒産租税滞納、職員教員への給与未払・家賃・電灯料の未納、最も悲惨なのは、農村に於ては無肥料耕作・青田売、或は義務教育終了前の子を奉公に出す有様であった。
 このような政府の無策は、資本家対労働者、地主対小作人の闘争へと発展し、本県に於ては、昭和七年(一九三二)阿久津村事件が勃発した。
 右のような経済恐慌の時代であっても、本町には林業の改良に務めた人々がいた。
 両郷伊屋々施業森林組合
 昭和三年(一九二八)五月十五日認可、面積五十六町九反五畝
 共有者十二人、初代組合長鈴木徳四郎
        現 組合長佐藤武士

森林組合設立認可書

 北滝施業森林組合
 昭和九年十一月認可
      初代組合長大町和太郎