政府は、昭和九年(一九三四)以来、四月二、三、四日の三日間を全国愛林日と定めて、愛林思想の涵養と普及に努めてきたが、昭和十三年(一九三八)には、国民精神総動員愛林日と改称し、四月四日に広範囲な国民を動員した。本県に於ては、旧須賀川村々有林が実施対象場所に指定され、男女青年団、町村消防組、森林組合、在郷軍人、小学校上級生まで動員された。
昭和十三年(一九三八)四月、国家総動員法公布によって人的資源物資の動員と経済の全分野にわたって統制措置を講ずることができるようになった。木材をみても、個人所有権はあっても、国の戦略物資の一部であって、伐採箇所・面積・時期或は価格に関して個人の意志は考慮外であった。