小学校の設置方針は従来の寺子屋、私塾を廃止して新しく小学校を設置したものと、それらはそのままにして別に小学校を新設したもの、さらには寺子屋などを合併して小学校に改造したものがあった。尋常小学校は六歳から九歳までを就学させる下等小学、十歳から十三歳までの上等小学の二段階編制としている。同年九月の小学教則によると上下各等に八級の等級を設けた。すなわち児童はまず下等小学第八級に入学し、半年毎に一級ずつ進級し第一級に至り、更に上等小学に進むこととした。その進級、卒業は各等級における課程を修了した者のみ進級、卒業ができるのであって、試験に不合格の者は落第させる制度であった。小学校における教科は、下等小学は綴字・習字・単語・会話・読本・修身・書読・文法・算術・養生法・地学大意・体操・唱歌・上等小学は下等小学の教科の外に史学大意・幾何学・罫画大意・博物学大意・化学大意等であった。明治八年には学齢が定められ満六歳から満十四歳までとされた。なお、下等小学校では読物・算術・習字・問答・暗誦・体操等が行われ、上等小学では下等小学の習字の代りに罫画が行われた。