④学童疎開

765 ~ 765
昭和十九年(一九四四)六月三十日の閣議に於て、戦局の推移に対応し都市防衛力の強化と次代国民の保護を図り、その健全なる発育を期する見地より学童の疎開を大量かつ集団的に即時実施せられるよう通牒した。那須教育事務所長は八月七日、学童集団疎開に関する打合せ会開催の通知を管下関係者に出し次の事項について協議した。
1 宿舎に関すること
借上料 神社・寺院・公会堂等は畳一畳に付月八十銭を標準とし最高一円五十銭に止めること

 普通旅館は左記料金を標準とすること、室は良否を参酌すること 一等級四円五十銭、四等級二円五十銭、八等級七十銭

2 物資の配給調達について
(1) 主要食糧その他生活必需物資は現行本県配給量をそのまま配給すること。

(2) 燃料その他の統制物資の調達運搬は極力地元で協力すること。

(3) 蔬菜生鮮魚等の副食物は極力地元に於て調達すること。

3 教育養護に関すること
(1) 教育は委託教育とする。

(2) 児童の衣類等の洗濯修理等に付ては能う限り地元婦人団体等の協力奉仕を促すこと。

(3) 嘱託する医師看護婦を斡旋すること。

(4) その他必要なる諸器具は東京都より持参する筈なるも関係疎開学校と連絡を密にし、諸物資の調達に付能う限り援助をなすこと。

学童集団疎開表(昭和十九年(一九四四)八月十日現在)
場所収容人員疎開学校名転入見込月日受入学校
川西町大字黒羽向町 常念寺四〇元町国民学校八月二十日川西国民学校
〃  大字余瀬 西教寺六〇
黒羽町大字田町 大雄寺一〇〇黒羽第一国民学校
〃  大字片田 金秀寺四〇黒羽第二国民学校
両郷村大字寺宿 光厳寺五六駒本国民学校八月十八日両郷国民学校