新学制においては国定教科書を廃止し検定教科書を使用することとした。昭和二十一年度からは粗末な仮綴の暫定教科書が使用された。その後昭和二十二年度からは学習指導要領の作成と並行して新教科書を編集した。教科書の検定制度は昭和二十二年から準備が進められ二十四年度から検定に合格した一部の教科書が使用された。その後年を追って文部省著作本の発行が停止され検定教科書の時代となった。
昭和二十六年(一九五一)義務教育無償の、より広範囲な実現への試みとして、国と地方で経費を分担して国語と算数の教科書を入学児童に無償で給与されたが、二十七年(一九五二)三月全額国庫負担で毎年入学児童に対し国語・算数の教科書を無償給与とした。しかしこの制度は三十八年度から年次計画的に、四十四年度からは小中学校の全学年に教科書の無償給与が実施されるようになった。