今回は異常低気圧が流れこみ、最初は雨、それが「みぞれ」となり氷結した上に重い雪が積り、北西の強風が吹き荒れたため、幼齢林は倒伏、または折損し、壮齢樹は上部または中間で折損するなど、森林のいたるところ地上に重り合い、樹木の山となり、目通り尺以上の杉が途中より折れたり、地上五、六メートルから真二つに裂けた針のような山が連続して、その惨状まことに筆舌に尽し難いほどであった。
県森連にあっては、同年十二月二十九日黒羽町・那須町の両町並に林務・観光課四者が集合し、八溝北部地区風雪害復旧対策協議会を同日設置し、会長に那須町長益子重雄氏、副会長に黒羽町長後藤伊位氏、須賀川森林組合長須藤義顕氏を選出し大要次のような陳情を行った。
ア 災害木の処置対策について
○倒伏木の雪起しに対する高額助成
○折損木の林外除去に対する奨励金の交付
○被害木搬出用作業道の開設並に改良に対する助成
○被害木搬出用林業機械の高額補助
○その他
○折損木の林外除去に対する奨励金の交付
○被害木搬出用作業道の開設並に改良に対する助成
○被害木搬出用林業機械の高額補助
○その他
イ 復旧造林
○激甚災害復旧造林の指定(五年)
○森林組合の受託造林資金に対する利子補給
○森林組合の受託造林資金に対する利子補給
これ等の要件を国並に県に陳情し被災者は連日幼齢樹の杉起し、壮齢樹の折損木の使用可能なものは用材として切出しているが今だにその整理がついていない。(昭和五十六年六月現在)
参考文献『とちぎ森林』