その後も水道の普及は伸びてきたが、それは主として都市部を中心としてであり、農村部は依然として普及せず、地域格差は大きかった。昭和十三年(一九三八)全国飲料水使用状況によると市部の水道使用が六九パーセントであるのに対して、町部は一八パーセントであり、村部にいたっては三パーセントにみたない。昭和三十年(一九五五)度末の国民の水道利用状況は三二・二パーセントであった。
黒羽町に水道が敷設されたのは昭和四十年(一九六五)であり、それまでは、ツルベ井戸や、押上げポンプであり、あるいは泉や河川の水が飲料水として使用されていた。明治四十一年の川西町井泉水質検査成績一覧表は、次の通りである。
井戸(石垣) | 泉 | 河川 | 計 | |
字 | ||||
黒羽向町 | 六九 | 六 | 三 | 七八 |
大豆田 | 一四 | 二 | 一六 | |
余瀬 | 一五 | 四 | 四 | 二三 |
蜂巣 | 二 | 六 | 一〇 | 一八 |
檜木沢 | 二八 | 九 | 六 | 四三 |
寒井 | 一七 | 二 | 七 | 二八 |
計 | 一四九 | 二九 | 三〇 | 二〇六 |
明治四拾壱年拾壱月廿三四日井泉水質検査成績確定一覧表 |
種別 | 大字区別 | 等級 | 員数 | 等級 | 員数 | 等級 | 員数 | 等級 | 員数 | 等級 | 員数 | 合計 |
黒羽向町 | 良水甲 | 四五 | 良水乙 | 一五 | 良水丙 | 一二 | 佳良 | 三 | 不良 | 三 | 七八 | |
大豆田 | 仝 | 八 | 仝 | 四 | 仝 | 四 | 仝 | 〇 | 仝 | 〇 | 一六 | |
余瀬 | 仝 | 一〇 | 仝 | 三 | 仝 | 九 | 仝 | 一 | 仝 | 〇 | 二三 | |
蜂巣 | 仝 | 一一 | 仝 | 三 | 仝 | 四 | 仝 | 〇 | 仝 | 〇 | 一八 | |
檜木沢 | 仝 | 二〇 | 仝 | 一五 | 仝 | 八 | 仝 | 〇 | 仝 | 〇 | 四三 | |
寒井 | 仝 | 二〇 | 仝 | 七 | 仝 | 一 | 仝 | 〇 | 仝 | 〇 | 二八 | |
計 | 一一四 | 四七 | 三八 | 四 | 三 | 二〇六 |
明治の水質検査の検査基準、試験法は不明であるが良水甲が五十パーセントとなっている。
昭和七年(一九三二)十一月一日付内務省令第三五号常水判定標準によれば次のように決められている。
1 良好ナル飲料水ハ無色澄明或ハ殆ンド無色澄明ニシテ二四時間静置スルニ著明ナル沈滓ヲ生ズ可カラズ
2 良好ナル飲料水は異常ノ臭味ヲ有ス可カラズ
3 良好ナル飲料水は中性、徴弱アルカリ性、或ハ徴弱酸性ナル可シ
4 良好ナル飲料水ハ亜硝酸ヲ検出ス可カラズ
5 良好ナル飲料水ハ「アンモニア」ヲ検出ス可カラズ
6 良好ナル飲料水ハ多量ノ「クロール」ヲ含有ス可カラズ、(一リットルニ付三〇・〇ミリグラム)以上含有ス可カラズ
7 良好ナル飲料水ノ含有スル有機物は成ル可ク少量ナルヲ要シ、其ノ酸化ニ要スル「カメレオン」ノ量ハ一「リットル」ニ付キ一〇・〇ミリグラムヲ超ユ可カラズ
8 良好ナル飲料水ノ硝酸ノ含有料ハ少量ニ止マリ一「リットルニ付キ二〇・〇ミリグラム」以上ヲ含有ス可カラズ
この判定標準に基づき昭和十六年(一九四一)大田原保健所は芦野町及び伊王野村(一部)の飲料水水質検査を行なっている。それによると成績は次の如く報告されている。
町村 | 試験数 | 飲料適 | 飲料不適 | ||
適数 | 割合 | 不適数 | 割合 | ||
芦野町 | 四一九 | 三三二 | 七九・二四 | 八七 | 二〇・七六 |
伊王野村(一部) | 一八六 | 一二九 | 六九・三五 | 五七 | 三〇・六五 |
計 | 六〇五 | 四六一 | 一五四 |
黒羽町の調査検査は不明であるが恐らく似たような状況ではなかったろうか。
当時の河川は現在に比べて、水質はかなり良好であったと思われるが、それにしても飲料水としては不適当な水が生活水として利用されていた。そして飲料用として不適当と判定されても消毒や濾過をして使用することなどは到底望めることではなく、せいぜい井戸側の改修や凌渫(しゅんせつ)、流し元、下水の破損箇所の修理など井戸周囲の清掃で間に合わせる程度であった。煮沸後飲用も守られなかったので赤痢や腸チフスなどの伝染病が例年発生し、しかも一度発生するや蔓延する恐れを常にもっていた。それがとくにすさまじかったのは、昭和三十八年の夏で向町を中心に百三十八名という大量の患者が発生し隔離病舎は収容不可能な状態となった。
ここにおいて、かねてより水道布設計画をもっていた黒羽町は、昭和三十八年(一九六三)十月十七日町議会に黒羽町水道事業の経営についての議案を提案、同日議会は可決し、ここに黒羽町上水道は設置されることとなった。
黒羽町上水道
1事業名 黒羽町水道事業
2給水区域 黒羽町のうち
黒羽田町、前田、堀之内
八塩、黒羽向町字上町、
下町一、下町二、大豆田
3給水人口 六千人
4給水量 一日最大給水量一、二〇〇立方メートル
5工事期間 自昭和三十九年四月一日至昭和四十一年三月三十一日
6財源 一般会計繰入金 四百七十万円
起債 三千七百万円
7水源決定の経過
○昭和三十七年 湯津上村狭原地区に水源探索試験井を掘削するも、水量不足であった。
○下町余瀬町営住宅手前を電気探索後試験井を掘削、結果水量不足
○下町築地(現在地)の水源場附近電探、試験井戸を掘削した。
○一日揚水試験揚水量、三千四百二十五tであったため、一日最大給水量(計画量)千二百tに満足するため水源井戸と決定
8施設の大要
取水施設 直径一・八メートル、深さ九、七二メートル
水中ポンプ 二台
浄水施設 塩素滅菌室 滅菌機 二台
配水施設 配水池一池 四百七十二立方メートル
配水ポンプ 三台
配水本管 一万一千二百九十四メートル
直径七十五m/m~直径二百m/m
地下式消火栓 三十五ヶ所
着手 昭和三十九年十二月
竣工 昭和四十年十一月
施工者 浄水場(水源井、配水池)
昭和水道土木株式会社
電気工事 日神工業
配水本管布設 昭和水道土木株式会社
黒羽町上水道は昭和四十年(一九六五)十一月十二日より七百九十世帯を対象に給水開始
事業の概要 (昭和五十六年四月一日現在)
水源施設 水中ポンプ一台(改良)
地上ポンプ二台(改良)
非常用発電気一台新設
浄水施設 従来のガス滅菌機廃棄
次亜鉛素酸ナトリウム滅菌機に改良二台
次亜鉛素酸ナトリウム薬液槽五tタンク新設
配水施設 配水池(既設) 一池
配水ポンプ三台
内一台を可変速モートルポンプに取替
非常用自動起動エンジン一台新設
(昭和五十三年十二月竣工により自動運転)
直径七十五~直径二百m/m
本管 合計一万九千百十三メートル
消火栓施設 五十二基
このように伝染病予防の見地から衛生的飲料水の確保を主目的として進められてきた水道の敷設は、今日においては単なる飲料水の確保にとどまらず、都市生活あるいは文化生活を営むための必要不可欠の要素となってきている。とくに昭和三十年代、わが国は経済の高度成長期を迎えると、国民の生活水準は急昇し、国民は水道による快適なる文化生活を求めるようになってきた。そこで黒羽町ではこれら町民の要望に応えるべく、上水道敷設にひきつづき昭和四十年代には北滝・須佐木・両郷と三簡易水道を敷設し、昭和五十三年(一九七八)三月には寒井簡易水道、昭和五十四年には北野上簡易水道を完成した。かくて残された未施設地区、大輪および須賀川にも水道設置すべく、昭和五十六年の予算には二億七千百十一万五千円の水道関係費を計上し、その実現を図っている。
(注)水道法によれば給水人口五千人以上が「上水道」で給水人口五千人以下を「簡易水道」という)
黒羽町上水道年度別給水人口の推移 |
計画給水人口 | 現在給水人口 | 施設能力 t | 年間有収水量 千m3 | 1日平均給水量 t | |
計画 40 | 6,000 | 1,200 | |||
42 | 〃 | 4,100 | 1,200 | 171 | 468 |
43 | 〃 | 4,400 | 1,200 | 177 | 484 |
44 | 〃 | 4,690 | 1,200 | 189 | 517 |
45 | 〃 | 4,835 | 1,200 | 243 | 665 |
46 | 〃 | 5,203 | 1,200 | 268 | 734 |
47 | 〃 | 5,280 | 1,200 | 325 | 890 |
48 | 〃 | 5,325 | 1,200 | 329 | 901 |
49 | 〃 | 5,387 | 1,200 | 340 | 931 |
50 | 〃 | 5,442 | 1,200 | 350 | 958 |
51 | 〃 | 5,610 | 1,200 | 395 | 1,082 |
52 | 〃 | 5,798 | 1,200 | 445 | 1,219 |
53 | 〃 | 5,808 | 1,200 | 476 | 1,304 |
54 | 〃 | 5,835 | 1,200 | 485 | 1,328 |
55 | 〃 |
北滝寺内および片田湯殿および上山田地区は水不足の上、水質も不良であり衛生環境の悪いところであったので、町議会は昭和四十一年(一九六六)三月十九日北滝簡易水道を布設することを決議した。
北滝簡易水道
1事業名 黒羽町北滝簡易水道
2給水区域 黒羽町のうち大字北滝字寺内、大字片田字湯殿及び上山田
3給水人口 四百人
4給水量 一日最大給水量 六十立方米
5総工事費 六百十七万六千円
6工事期間 自昭和四十一年五月 着工
至昭和四十一年十月 竣工
7財源 一般会計繰入金 百二十五万円
起債金 三百万円
国庫県補助金 百二十八万円
給水工事地元負担金 六十四万六千円
8給水戸数 八十一戸
9給水開始 昭和四十二年一月二十日
施設の概要
水源施設 第一取水設備
第二取水設備
導水施設 第一導水設備
第二導水設備
浄水施設 沈砂池 ろ過池 配水池
滅菌機 滅菌室
配水施設
硬質塩化ビニール管直径七十五m/m 九百十八メートル
直径五十 m/m 千百メートル
直径四〇 m/m 五百メートル
直径三十 m/m 二百五十メートル
直径二十五m/m 百五十メートル
計二千九百十八メートル
量水器設備
量水器 直径七十五m/m 一台
黒羽町は能うる限り市街地、各地区全町内に水道事業を実施する計画をたて町議会全員協議会で昭和四十二年(一九六七)度は須佐木地区実施と決定をみた。
須佐木簡易水道
1事業名 黒羽町須佐木簡易水道事業
2給水区域 黒羽町大字須佐木地区
3計画給水人口 千三百人
4給水量 一日最大給水量 百九十五立方メートル
5総工事費 一千七百四十八万円
6財源 一般会計繰入金 三百三十一万円
起債 八百万円
国庫補助金 三百五万円
県補助金 百二十二万円
給水工事地元負担金 百九十万円
7給水戸数 二百七戸
8工事 自昭和四十二年八月一日
至昭和四十二年十一月二十五日
9給水開始 昭和四十三年四月
10施工者 水道 東京都 神綱水道建設株式会社
電気・ポンプ工事
宇都宮市日神電機工業株式会社
施設の概要
水源施設 取水堰 取水ポンプ
ポンプ室 電気設備
導水施設 配水導水管直径五十m/m亜鉛メッキ鋼管百十四米
直径七十五m/m石綿セメント管百二十メートル
計二百三十四メートル
浄水施設 ろ過器 滅菌機
配水施設 配水池 鉄筋コンクリート造七五立方メートル
配水管 直径百m/m 千百五十七メートル
直径七十五m/m 二千三百三十三メートル
直径七十五m/m 七百十九メートル
直径五十m/m 二百メートル
直径百m/m 百二十三メートル
計 四千五百三十三メートル
量水器 直径七十五m/m 一台
この水道の特色は須賀川地区学校給食センターの水源地施設を用いることとし、河床を掘さく、集水管を埋設し、ろ過装置を施してあるものを、更に揚水のうえ、山腹の「バームチット式自動ろ過器」で再ろ過し、給水する点にある。
両郷簡易水道
1事業名 黒羽町両郷水道事業
2給水区域黒羽町大字大久保全域および大字中野内、河原、久野又、寺宿、木佐美の一部
3計画給水人口千三百人(外に保育所五〇人、小学校三七〇人、中学校三〇〇人)
4計画給水量一日最大給水量 二三一立方メートル
5総事業費 四千六百六十二万四千円
6財源起債 一千九百万円
国庫補助金 一千五百三十九万四千円
県費補助金 四百六十一万円
一般会計繰入金 七百六十二万円
7工期 昭和四十七年度 昭和四十八年度二ヶ年
着工昭和四十七年八月
竣工昭和四十八年九月
給水開始昭和四十八年九月十七日
8給水戸数 二九二戸
9施工者
配水池及水源施設工事 中野内 猪股建設
電気ポンプ工事 大田原市三陽設備工業
管工事 宇都宮市渡辺建設株式会社
施設の概要
水源施設 取水井戸二基
取水用水中ポンプ 取水井三台
濾過池 導水管三〇〇メートル
ポンプ室二 電気設備
浄水施設 滅菌機 送水設備
配水施設 滅圧装置 排水ポンプ
配水池 排水設備
配水管 直径百二十五m/m 七百五十メートル
直径百m/m 千三百メートル
直径百m/m 千二百メートル
直径七十五m/m 七百五十メートル
直径七十五m/m 千九百三十九メートル
直径五十m/m 四千五十一メートル
直径五十m/m 六百八十メートル
計 一万六百九十四メートル
量水設備 配水量計測メーター
直径百m/m 一台
この水道は水源地を大字寺宿字川添に井戸を掘り、十五馬力の水中タービンポンプ(口経五十m/m)で梶金山の配水池に揚水して、一日最大給水量二百三十トンを配水管約一万六百九十四メートルで区域内約三百戸に給水している。
寒井簡易水道
1事業名 黒羽町寒井簡易水道事業
2給水区域 黒羽町大字寒井本郷と寒井北部の一部
3計画給水量 一日最大給水量 七十七立方メートル
4総事業費 四千八百万円
5財源 起債 二千三百四十万円
国庫補助金 一千二百万円
県費補助金 四百八十万円
一般会計繰入金 七百八十万円
6工期 昭和五十二年度
着工昭和五十二年九月
竣工昭和五十三年三月
7給水戸数 百二戸
給水人口 五百四十人
施設の概要
水源施設 直径千八百m/m×深さ六mヒューム管製
浄水施設 滅菌設備 二台
配水施設 取水配水ポンプ二台
非常用エンジン一台
圧力タンク 一基
銅鉄製タンク 容量十トン
ポンプ室 一棟
消火栓工事 六基
配水本管布設
直径百 鋳鉄管八百五十メートル
直径七十五九百六十五メートル
直径七十五石綿管百五十メートル
直径五十 ポリエチレン管七百七十メートル
北野上簡易水道
北野上地区は山間地帯であり、各戸の飲料水は浅井戸及び沢水を利用してきたが、浅井戸の水量は近年の、圃場整備事業により極度に減少し、自家用井戸の不安定水量のため、沢水等を併せて利用せざるをえなくなってきた。また当地区は畜産農家が多く、浅井戸利用者にしても年々地下水が汚染される状況となってきた。
北野上簡易水道水源地
そのためか、水質検査の結果、ほとんどの家庭の飲料水から大腸菌が検出され、飲料用として不適当であると判定された。町としては、これらの状況から一朝経口伝染病が発生した場合には、当該地域全体に蔓延することが憂慮されるので簡易水道事業を計画した。
1事業名 北野上簡易水道事業
2給水区域 黒羽町大字北野上地区
3計画給水人口一般五百六十人(給水区域内人口五百七十人)
学校八十人
計六百四十人
4一人一日最大給水量 一般 二百リットル
学校 百リットル
5一日最大給水量 一般 百十二立方メートル
学校 八立方メートル
計 百二十立方メートル
6一人一日平均給水量 百五十リットル
7一人一日時間最大給水量 七百二十リットル
8総事業費 九千八百八十五万円
9財源 国庫補助金 三千二百九十五万円
県補助金 九百八十八万五千円
年金積立金還元融資四千六百万円
町負担金 九百六十一万五千円
10工期 昭和五十四年度
着工 昭和五十四年九月
竣工 昭和五十五年二月
11給水戸数 九七戸
12施工者 土木工事 前田 吉成建設
配水本管工事宇都宮市渡辺建設株式会社
電気ポンプ工事、宇都宮市日神工業
施設の概要
北野上区域の東部区域 最端部に井戸を求め、地下水(渇水期には不足分を表流水で補充)を緩速ろ過地において遊離炭酸の除去とろ過により浄水池に貯留する。浄水地より送水ポンプによって実揚程二十八メートルの高台にある配水池に流入する。
水源施設 水源井戸一本
ポンプ室 一室
取水ポンプ 二台
送水ポンプ 二台
電気設備 一式
送水管 直径七十五m/m 四百八十五メートル
浄水施設 浄水池 一池(二十トン)
緩速ろ過池二池
滅菌機 二台
配水施設 配水池(低区 百トン)
(高区 二トン)
配水本管直径百m/m 三千五百三十メートル
直径七十五m/m 一千七百三十九メートル
直径五十m/m 三百四十五メートル
直径三十m/m 一千四百八十四メートル
配水量計測メーター
直径百m/m 一基
消火栓 地下消火栓 十四基
この完成により北野上南区地域の九十七戸が給水世帯となった。またこれの完成によって給水戸数は町全体で、二千二百六十八となり、全世帯の五十六・八パーセントが給水世帯となったのである。
昭和五十三年度水道事業は給水戸数二千十七戸、給水人口七千七百六十一人、総配水量は七十四万八千九百四十立方米、一立方米当りの水道料金は給水原価六十八円九十三銭、供給原価は八十円五十銭となっている。昭和五十四年度は給水戸数二千四十九戸、給水人口七千八百七十三人、給配水量は七十八万五千六百十立方米、収益的収算は収入五千百五十五万七千三百六十九円、支出四千五百二十八万三千百六十四円で収益的収支は純利益六百二十七万四千二百五円の黒字となっているが、資本的収支は三百十四万四千四十四円の赤字となっている。
黒羽町はよりよい生活環境を保持するために、全地区に水道を敷設すべく、昭和五十五年には新規に大輪簡易水道布設費および翌年度計画の須賀川簡易水道設置調査費を含め総額二億七千百十一万五千円の水道関係予算を計上、昭和六十年度中には実給水人口一万四千三十八名、施設普及率七十八・九パーセントを達すべく努めている。
さて、昭和五十三年度および五十四年度の黒羽町決算書によれば黒羽町の水道事業の現況は次のようである。
昭和五十三年度決算
給水戸数 二千十七戸
給水人口 七千七百六十一人
総配水量 七十四万八千九百四十立方メートル
一立方米当り給水原価 六十八円九十三銭
一立方米当り供給原価 八十円五十銭
水道事業収益計 五千十七万一千二百三十六円
水道事業歳出計 四千百五十八万二千二百五十九円
差引 八百五十八万八千九百七十七円(純利益)
昭和五十四年度決算
給水戸数 二千四十九戸
給水人口 七千八百七十三人
総配水量 七十八万五千六百十立方メートル
収益的収入 五千百五十五万七千三百六十九円
収益的支出 四千五百二十八万三千百六十四円
差引残高 六百二十七万四千二百五円也(純利益)
資本的収入 百六十二万三千円
資本的支出 四百七十六万七千円
差引残高 三百十四万四千円(不足)
黒羽町は今後も住みよい生活環境を整備する一環として、町内全地区に水道を設置する計画を持ち、昭和五十六年度には、大輪地区の設置費および須賀川地区の設置調査費を予算に計上、その実現に努めている。これら両水道が布設される昭和五十八年度には本町は水道施設普及率は七十八・九パーセントとなり、給水普及率は九十三・六パーセントに達する予定である。
上水道・簡易水道配管線図
黒羽町振興計画(昭和56年度作成) |
上水道計画 |
区分 | 基準年次(昭和55年) | 目標年次(昭和60年) | |
総人口 A | 人 | 19,000 | 19,600 |
計画給水人口 B | 人 | 10,000 | 15,000 |
実給水人口 C | 人 | 8,921 | 14,038 |
施設普及率 B/A | % | 52.6 | 78.9 |
給水普及率 C/B | % | 89.2 | 93.6 |
水道料金表 |
(水道課調) |
昭和40.1.1からの料金 | 昭和48.10.1より | 昭和53.4.1より | |||||||
使用者 | 基本水量 | 基本料金 | 超過 1m3当り | 基本水量 | 基本料金 | 超過 1m3当り | 基本水量 | 基本料金 | 超過 1m3当り |
家事用 | 10 | 370 | 37 | 10 | 550 | 55 | 10 | 750 | 75 |
営業用 | 20 | 400 | 40 | 15 | 825 | 55 | 15 | 1,125 | 75 |
官公署学校 | 50 | 1,850 | 37 | 20 | 1,100 | 55 | 20 | 1,500 | 75 |
浴場営業用 | 100 | 3,500 | 35 | 100 | 5,500 | 55 | 100 | 7,500 | 75 |
工場用 | 200 | 8,000 | 40 | 200 | 1,100 | 55 | 200 | 15,000 | 75 |
臨時用 | 100 | 3,500 | 35 | 100 | 5,500 | 55 | 100 | 7,500 | 75 |