○計画の基本指標

864 ~ 866
●総人口
 本町は過疎化の現象によって昭和三十年(一九五五)より若手層が流出し、優良企業の導入により昭和六十年(一九八五)の人口を一九六〇〇人に想定する。
・人口の見通し
年別30354045505560
人口23,94122,34520,14718,32818,95119,00019,600

●年齢層人口
 本町の昭和六十年(一九八五)の年齢層人口について老齢化の傾向がめだってくる。
・年齢別層人口
区分実数(人)
50年55年60年
0歳~14歳4,1224,0854,136
15歳~64歳12,88712,90113,308
65歳以上1,9422,0142,156
区分構成比%
50年55年60年
2歳~14歳21.821.521.1
15歳~64歳68.077.967.9
65歳以上10.210.611.0

●就業人口
 本町の産業別就業人口は、第二次、第三次産業が伸びるものと予想される。
・就業人口
区分就業人口構成比
50年60年50年60年
第1次産業3,6362,45039.525.0
第2次産業2,5283,62627.437.0
第3次産業3,0493,72433.138.0
総計9,2139,800100.0100.0

●町民所得
 昭和四十年(一九六五)代における経済成長については、一〇%強高度成長、五十年(一九七五)代は六%程度の成長であるので、昭和六十年(一九八五)町民一人当りの目標は、百三十万円程度である。
・町民1人当り所得
年別45年49年55年60年
国民所得329千円724千円1,049千円1,303千円
※対県民1人当り所得との比較76.9%

●土地利用計画
 本町の林野率は、七二%を占め農山林地帯である。現在川西地区に農村工業導入促進法に基づく、工業用地に優良企業の誘致を促進し、合理的な土地利用計画を立案し、農林業地域、工業地域、観光レジャー地域等に区分し、土地の高度利用、生産性の向上を図っていく。
・土地利用構想
(単位:ha)
区分昭和50年昭和60年
農用地(田畑,果樹園,その他)2,8402,883
林地13,33113,236
原野449449
河川敷等(水面,河川水路)268268
道路(一般道路,林道)142168
宅地(住宅地,工業用地,店舗地等)328393
その他1,3641,325
18,72218,722
(固定資産概要調書調)

●計画の主な施策
区分施策の概要
交通通信対策1那珂川湯殿橋の架橋促進
2町道改良、木佐美南方線
生活環境整備1大輪簡易水道の新設
2須賀川簡易水道の新設
3老人福祉センターの建設
4健康センターの建設
5総合運動場の建設
教育設備の整備1統合中学校の建設
2屋内運動場の建設
3特別教室建設事業
農林業生産基盤の整備と産業の振興1第3期山村振興事業の推進
2県営圃場整備事業及び総パ事業の推進
3水田利用再編対策事業の推進
4農業経営近代化事業の推進
5経営作業道開設事業
観光施設整備事業1城址公園の整備及び野営場の建設
 
 

●計画の目標
 ・基礎条件の整備
町民が連帯感と人間性をもって、心豊かな住みよい地域環境を創造するため、各施策の大綱をたてて実施する。

○農村地域については全町圃場整備事業により、土地の高度利用と生産性の向上を推進する。そして水田利用再編対策に対応し、地域特産団地の育成を図る。

○森林地域については、八溝林業地の特性を充分生かし、国土保全優良森林資源の確保に努める。

○町の経済をより発展させるため、工業用地には、町の実情に応じた公害の伴わない優良企業を誘致し、就労の場を確保すると共に、宅地造成を進め従業者の定住環境をつくる。

○観光レジャー地域は、県立自然公園地域を中心として、これに文化史跡、既存のゴルフ場を配し観光地域化を図る。

○生活用水については、給水地域の拡大を図り、文化的な生活環境を整備する。

○町発展の根幹をなす道路については、道路交通網の整備を促進し、先ず路線の改良、全線舗装をめざしていくことである。

○社会福祉の充実と生活環境の整備、社会教育施設の整備を図り、教育の指導者養成を行う。今後の老齢化社会の対策として、老人福祉センターと健康センター等を建設し、住民福祉の徹底を図る。山村振興事業による総合運動公園及び、農民広場の造成を進める。

 ○義務教育施設の整備
次代を担う優秀な人づくりには、中学校の統合及び教育施設の整備と教育の充実が最も肝要であるので、積極的にこれを推進する。

●地区発展の方向
 ○川西地区
●平坦な那須野ヶ原の末端にあり、扇状地帯特有の伏流水が豊かで、地下水利用による本町一の水田地帯である。従って将来は、米作主体の水田地帯と住宅地帯の調和のとれた、田園地帯が予想される。工業用地としての条件があり、既に北部地区には工場の建設も進み、当然宅地造成も進むものと思われる。

この為生活汚水の処理が大きな問題であり、地域の環境保全のため下水道の整備が必要になってくる。

●黒羽地区については、北部地帯は那珂川県立公園を充分いかし、黒羽城址を始めとする数多くの史跡があり、観光簗をはじめ観光ルートの中心である。しかし、帯状に分割された地域だけに市街を通過する道路が狭く、那珂橋を中心に交通が渋滞し、このため交通安全の見地より、主要県道のバイパス建設が要請される。南部地帯は、圃場整備も完了に近く、大型機械による農業経営を進めながら、イチゴ、トマト、キュウリ等の施設園芸が盛んであり、米プラスの複合経営により、安定した農家の育成を図る。

●両郷・須賀川地区は、八溝山系に属し、八溝林業地帯として県下有数の林業地として名をなしている。古くからスギ、ヒノキの優良材の生産が盛んな地域である。地域の特性を活かした多角的な林業経営の振興を図るため、「育てる林業」から「創る林業」への転換を図る。なお地域の特産である茶・こんにゃく、しいたけ、なめこなど豊かな資源を活用し、農林経営の合理化を図る。

両郷地区のたばこ、酪農、施設園芸も盛んであるので、これら水田と林業を併立した複合経営が望まれる。