二 岩谷観音堂

912 ~ 912
 黒羽町大字堀之内岩谷にある。この観音堂はもと同地にあった岩谷山長泉寺(天台宗で鎌倉時代の創建といわれる。今は廃寺)の境内にあった。本尊は千手観音(仏像は伝教大師の作と伝えられる)である。千手観音は六観音(聖、千手、十一面、如意輪、馬頭、準提)の一つである。千手干眼観自在菩薩が本義。千手は同時に無限の動作をなし、千眼は一切の事理を知照するという、自在な神力を具現するすばらしい徳を持つ。
 藩主大関氏代々厚く崇敬した。藩の作事奉行勤め方の中に、御普請か所として、岩谷観音堂も記載されている。堂の納額二面(鈴木青蘭幼名峯之助七才筆「岩谷観音」、および藩主大関増栄の「観音参詣功徳日記」)がある。境内に鈴木青蘭の碑が建っている。