三 御堂地観音堂

912 ~ 912
 黒羽町大字堀之内御堂地(みどうじ)にある。聖観世音仏像(木造立像)は御堂地(みどうじ)観音とよばれており、黒羽町指定の文化財である。作者は不明だが、鎌倉時代の作と伝えられている。優れているので、土地の人は岩谷観音の姉仏だといっている。『創垂可継』の封域郷村誌には次のように記されてある。
 堀之内村に御堂地と云う所あり。今は観音を安置す。堂の傍に古き石塔あり文字ありと言えども明らかならず。土民の口碑に久寿年間の狐狩りをせし総大将三浦介の石碑と云い伝う。其の傍に梅雪尼孝子等之を建つと記す。此の梅雪尼と云うは三浦介此の地へ下向の時妾となりし婦女なり。三浦介帰洛の後此の婦人は野州に止まり尼法師となり右の女子の子孫後世に至りて石碑を建立せしと云う。往古の事年月知らず。

  参道の入口に「下野国百ケ所西国巡禮六番札所」と刻んだ石燈籠が建っている。