一切経蔵は、平家建て木造土蔵造り、間口五・七メートル、奥行六・七七メートルで石築基壇上に建っている。屋根はそりをもつ四柱造りであり現在は鉄板ぶきである。内部は第三間の平面に輪蔵があり、奥に向って約一メートルの須弥壇が設けられており、県文化財指定の聖観音像が安置されている。この経蔵入口の廂天井の龍の絵は、鈴木武助(為蝶軒)の描いたものである。
輪蔵は、木造八角形(一辺が一・三メートル、高さ三・六二メートル)で、屋根面は経蔵天井に納められ、軒下の複雑な斗〓、蟇股、木鼻、さらに脚部斗〓の組み合わせは、構造全体の均衡を保たせている。全面うるしの彩色が施され要所に金具を打ち、下部の台座に至るまでよく形観をつくり、江戸前期の特色がよく現われている。