目次
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第三編 拾遺
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第二章 文化財
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二 文化財の説明
18 木版一切経
922 ~ 922
この経典は、元禄年中五代将軍綱吉の常憲廟に、一位大妃が唐の経山寺より請うて納めたものであるが、享保年中に伽藍除去の折、将軍吉宗より大雄寺十三世廟門、郭門貫徹大和尚に施与されたという。
経典は、木版刷であるが、なかに文政初め欠本を補った写経三十九部が含まれている。刊行年代は明の萬暦戊申(一六〇八)天啓甲子、崇禎拾七年から清順治拾七年、康煕伍拾壹年(一七一二)に及んでいる。わが国の慶長十三年から寛永、万治、正徳の各年代にあたるものである。
郭門大和尚は、上野東叡山寛永寺において教相を学んだ碩学の僧で、しばしば将軍吉宗にご進講をしたという。この経典四五〇〇冊は輪蔵(別記大雄寺経蔵参照)に納められている。
木版一切経