三島神社の境内にある。このイチョウは落葉性高木で、目通り周囲六・四五メートル、根回り八・三五メートル、樹高三〇メートルで、主幹にくっついて西側に径三〇~四〇センチメートルの幹七本あり、高さ二〇メートル程まで伸びている。主幹には「チチ」といわれる大きな気根が下がり、地上七メートルぐらいから分枝し、枝張り東西一四・三メートル、南北一六・一メートルにあり、推定樹齢四百年の大樹である。三島神社は、大野室の薬師さまと呼ばれ、大同二年(八〇七)美濃国大野郷の藤原秀麿がこの地に住みついて(このためこの地を大野室と名づけた)那珂川の三河渕で見えだした薬師如来の金仏をまつったと言われ、明治になってから三島神社と改称されたもので、このイチョウも由緒あるものと思われる。