この樹は、須佐木の旧家益子家敷地内の倉庫の傍に植栽されてある。根廻り三・九メートル、目通り周囲二・八五メートルある巨木で、樹高は約一五メートルの直幹である。上部はいくつかの幹枝にわかれ、さらに四方にひらき、枝張りは東西約一八メートル、南北約一六メートルあり、樹勢は旺盛である。この樹の推定樹齢は約二五〇年ほどとみられる。この樹はばら科に属し、桜の一種で、俗に「イモタネザクラ」とも呼ばれている。桜の開花期をめやすとして、里芋の播種期としたむかしの呼び名が、いまも伝承されているのである。
51 須佐木のイモタネザクラ