この居館跡は那珂川の支流野上川の南端に位置し、御亭山塊の丘陵上に構築されている。野上川の沖積地よりの比高は四〇～六〇メートルで、現状は山林で樹木が生い茂り規模は不明であるが、居館の跡は堀り切りになっている。主として中腹に分散している。ここに小屋が建っていたとみられ俗に恩地小屋という。山頂は平坦で展望はよく烽火台はないが、その役目は十分果せるところである。山すそは岩盤で要害、山頂に加茂神社の小祠がある。山麓近く東西に浜街道が通じ軍事道としての役割を果たしたとみられる。大関清増の臣益子但馬守信勝が天正年間築城し居城したと伝えられる。大関氏と常陸佐竹氏との抗争のなかで大きな役割を果たしたものとみられる。