1、苗取り歌

1019 ~ 1019
 〽 むこう山で わらび折(と)るは
   人の嫁か娘か
   嫁ならば送り申す(お送り申そう)
   娘ならば(娘なら)もらいましょう
 
 〽 むこう山見さいな 見さいな
   ありが材木引き出す
   七藤を たぐりたぐり
   ヨイコラサと ヨイコラサと 引き出す
 
 〽 天竺(じく)へのぼる道へ
   つばき植えてそだて
   雨降らば雨やどり
   照らば涼みどころに
 
 〽 みさいな みさいな みさいな
   蟻が太捻縄(だいもじ)引いてくる
   なま藤をたぐりたぐり
   ヨイサ ヨイヤラサと ひいてくる
 
 〽 イヨー 苗代の水の出口に ソレ
       生いたる松は何松
  イヨー 女松男松姫の小松 ソレ
       太郎治の前には若松
  イヨー 若松の一の枝に
       殿の鷹が巣をかけ
  イヨー 巣をかけるにゃ ただはかけまい
       主と長者とかけたり
 
〽 向う山の(婿殿は) なずくるに なにをみやけにもってきた(なんとなにもって来たかあててみな)

   あんず(うめ) すももに さがりいちご
   さては(または)りんごの 折り枝