明治三十二年の「実業学校令」で実業学校として認定された実業補習学校は、その目的に、「実業学校は、実業に従事する者に須要なる知識技能を授くるをもって目的とし兼て徳性の涵養に力むべきものとす。」とあるが、同三十五年の「改正実業補習学校規程」に基づいて漸く振興の気運に向かい、急速に学校数も増大した。更に、「小学校を卒業して職業に従事する者に、職業に関する知識技能を授けるとともに、国民生活に必須なる教育をなすをもって本旨とす。」と学校の性格にかなりの修正が加えられた。その具体的な運営の説明をみると普通学科の強調を主張している。すなわち小学校教育の補充・延長の方向へ踏みきったのである。それでも全国的に科目ごとの時数などは一定の枠内で自由とした。