(五) 高等小学校補習科

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 高等小学校補習科(昭和十六年、国民学校となった時点で「特修科」と呼称)は、黒羽第一尋常高等小学校に大正四年(一九一五)設置された。修業年限は一年で、高等科二年卒業を入学資格とし、教科目は修身・国語・漢文・算術・歴史・地理・英語・理科・体操・裁縫(女子)・農業・商業。週授業時数は、設置後の数年間は男女共三十六時間、以後は男子三十時間、女子は三十二時間。設置時より九年間は女子も在学していたが、大正十三年(一九二四)以後は男子のみとなった。授業料は、設置当初は二十五銭(四十銭)(以下括弧(かっこ)内は他町村からの生徒の授業料)。大正九年に六十銭(八十銭)、同十一年から八十銭(一円、同十五年に一円二十銭、昭和四年に一円三十銭)となり、昭和二十一年度に授業料無しに至るまでこのままの額であった。補習科に学ぶ生徒は、黒羽町を始め川西町・須賀川村・両郷村・湯津上村・金田村・大田原町・大山田村・箒根村等々広範な地域にわたっている。卒業生の進路は、在家の農商工、就職、陸海軍人、上級学校に進むなど社会情勢の変化とともに多様であり、広く有為の人材として活躍してきている。旧制中等学校が広くは普及していなかった当時としては、補習科の課程は極めて貴重な存在であり、本町の教育への意欲ある姿勢がうかがわれる。昭和二十二年(一九四七)新学制(六・三制)の発足により、補習科は昭和二十一年度を最後に廃止された。大正四年設置以来三十二年間、卒業生総数は一、三四〇名である。