曽て本県には宇都宮刑務所があったが、昭和四十三年(一九六八)九月、小菅刑務所とともに黒羽に移転することが決定し、翌年七月施設の設計完了、新都市開発センターとの間に、東京拘置所跡地(巣鴨)との建築交換契約が締結され、同年十月工事に着工した。翌年十二月工事完成、昭和四十六年(一九七一)三月、小菅刑務所、宇都宮刑務所は廃庁となり、犯罪傾向の進んでいない成人男子受刑者の収容施設として、黒羽刑務所が設置された。緑豊かな森林に囲まれた森の刑務所とも称され、現代矯正の粋を集めた近代的施設で、もっとも理想的な矯正教育並びに訓練の場として企画され、その規模・内容ともに東洋一といわれている。施設の特色としては
(一) 個別処遇が充分行いるように、収容人員の六十五パーセント近くを収容できる個室を持っている。
(二) 運営しやすいように、居住棟と工場、運動場、事務室などが機能的に配置されている。
(三) 居住棟を受刑者の生活の中心的な場とするため、日本間、小講堂、教室、レクリエーションルームなどの集会室が設けられている。
黒羽刑務所