三、那珂川北部漁業協同組合

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 那珂川北部漁業協同組合は、昭和二十五年(一九五〇)に創立され、事務所は黒羽町大字桧木沢三十三番地にある。昭和四十八年、(一九七三)組合事務所が新築された。

那珂川北部漁業組合

 当組合に所属する地区は、黒羽町・那須町・西那須野町・湯津上村・喜連川町・氏家町・塩原町・黒磯市・大田原市・矢板市の区域で、十七支部に分かれ、支部は支部毎に運営されている。
 当組合の組合員数は、年度により異なるが昭和五十五年(一九八〇)度末現在で、一万四千二百十三人であり、出資口数は、一万四千七百四十三口である。
 歳入予算総額約八千七百万円で、そのうち約四千万円が、鮎(あゆ)・マス・ヤマメ・鯉などの放流費、鮎・マス種苗費、飼料費などにあてられている。
 昭和五十六年度の事業の主なるものは、次の通りである。
 (一) 増殖保護に関する事
   ①放流事業
     鮎     三千四百五十キログラム
     鯉     六百キログラム
     ヤマメ   二万六千尾
     サクラマス 五千尾
     ニジマス  二千五百キログラム
     銀鮭    三万尾

   ②孵化増殖保護事業
1.ウグイ産卵場十七カ所(各支部一カ所)を造成し、産卵の助長と保護を行い増殖をはかる。

    2.鮭産卵場の造成保護

     鮭の自然産卵場を保護し増殖をはかる
 (二) 水質保全と水産資源の保護に関する事
   ①水質と水温の測定
水質を保全し、水産資源を保護するため、那河川と箒川に水温と水質測定所を設けて、水質と水温を測定し運営に資する

   ②鮎の遡上状況の調査
鮎の遡上状況を把握するため、那珂川、箒川に鮎の遡上状況調査地点を設け、運営、広報に資する。

   ③稚鮎の保護
解禁前の遡上鮎及び放流鮎を保護することは、最も緊要事項のため之が取締の徹底に努力する

   ④水質の汚濁と公害防止
漁場の管理を強化すると共に、汚濁の発見に努め之が防止に努力する外関係機関と緊密な連絡をとり、水質汚濁と公害防止に努力する

 (三) 漁場の秩序維持に関する事項
   ①支部の協力を得て監視の強化をはかり、漁場の秩序維持に努力する。
   ②必要に応じ一斉取締りを実施し、密漁防止に努力する。
③悪質者に対して、過怠金の徴収、或は警察の協力を得て取締りを実施し漁場の秩序維持を図る。

 (四) 事業場に関する事項
   ①ますの養殖
    ます卵五十万粒をふ化育成する
   ②鮎の養殖
    鮎稚魚二五〇キログラムを琵琶湖より入手し之を育成する。
   ③銀鮭卵五万粒をふ化育成する。
   ④電気設備管理者の嘱託
   ⑤特定鮭、マス増殖事業の施設整備について
補助対象外となった水車二機、給飼器四個を約五十万円をもって整備したい。

   ⑥井戸の再掘削について
 当組合は、役員として理事十九人監事三人を置く。(理事は組合長一人、副組合長二人を互選してきめる)現組合長は鈴木羊四郎で、職員は四名である。