(六) 北滝

1093 ~ 1093
 北滝(きたたき)は古代那須国の圏内に開けた里である。六世紀末に築造されたとみられる古墳『銭室塚』は、最も象徴的な遺産である。『横枕』の地名にみられるように条理制の遺構もみられる。
 館野宝賢にまつわる伝承地で、居館跡とみられる所がある。その居所下は根岸である。御亭(こてや)は古く山岳信仰地で、しだれ桜のある麓の法善寺周辺の苔むす碑塔群と集落名『寺内』などの名は、信仰の深さを現在も伝えている。
 近世の頃は旗本領で、上滝村と下滝村とは『山内源七郎』・『酒井岩五郎』・『桑山弁吉』・『倉橋三左衛門』の『四給地』であった。なお石高は約千二百石ほどである。
 ここは御亭山地と那珂川左岸段丘とからなり、北部は日暮(平群ともかく)峠で八塩と接し、南部は片田である。また対岸は湯津上村の小船戸と湯津上である。
 主な地名に、高田・兼入・沓形・畑ケ田・穴田・二斗蒔・吉小・森下・石田・餅田・八斗蒔・根元・中ノ内・芹田・番上田・横枕・五両田・五斗蒔・井尻・石塚・三斗蒔・風呂田・羽場下・羽場・坂下・田尻・湯長町・吉田・川端・伊沢・萩田・田島・蔵下・松ノ木・杉ノ下・二反田・鉢木内・海法地・長中・六斗蒔・前ノ内・橋場・塚の内・四斗蒔・行屋下・中田・田頭・岡平・南田・根岸・宮本・平部・吉平・柳沢・松ノ峯・平部河原などがある。