三、生い立ち

1108 ~ 1108
 余一の出生から、源平の戦いへの出陣までの期間の事蹟に関しては、すべて伝説の域を出ていない。史実としての確たる証拠は見当らないのであるが、伝説で扱われている余一ゆかりの土地としては、小川、湯津上、大田原、黒羽の地区であって、その中でも黒羽地区が最も多い。このことは余一がその幼少の頃から、黒羽(資隆の居城高館城)に育ったということは頷ける。そうしてこの間に武技の練磨に励んだのである。