一 春(三月~五月)の天気

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 春は寒い冬から暖かい春に、春から暑い夏へと移り変る時期である。大陸の高気圧は次第に勢力が衰え、移動性高気圧と低気圧が交互にあらわれ、気温の寒暖、天気の好悪、と周期的に大きく変化する。
 移動性高気圧のはりだしによって、一時的に季節風が吹き、高気圧におおわれると気温が上昇し「五月晴(さつきばれ)」がみられる。四月後半から五月はじめ、移動性高気圧におおわれた明け方は冷え込み、晩霜がおりることがある。そのため、「八十八夜の別れ霜」の警語さえ残っている。
 日本海を低気圧が通ると、気温は上昇し初夏のようになる。その後、低気圧に伴う前線の通過によって、突風、雷雨、雹(ひょう)の現象がある。五月下旬になると、梅雨(つゆ)のはしりがみられるようになる。