三 秋(九月~十一月)の天気

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 秋の気象は、春についで変動が大きい。
 九月前半頃までは、小笠原高気圧の勢力がまだ強く、残暑であるが、高気圧は次第に東に後退し、北方に押し上げられていた前線が南下し、本州南岸に停滞して雨期になり、十月はじめまで続く。秋霖・秋の長雨・秋雨などといわれる。
 十月半ばともなると、大陸に現れた移動性高気圧が東進して、日本付近を通るようになり、秋雨の時期は終って、天気は周期的に変り、秋晴と曇雨天が交互に現れる。十一月も半ばとなると大陸の高気圧が次第に強まり、時折、冬型の気圧配置となって北西の季節風が吹き出し、冷え込み、早くも降霜があるようになる。秋は台風の季節で、しばしば日本に接近または上陸して、この付近に災害をもたらすことがある。