夏は、南南西の季節風が吹き、冬は、北北西の季節風が吹く。冬の気圧配置に、西高東低となり、北部山岳からの強い風が吹き、那須おろしや男体おろしの空(から)っ風といわれる。九月下旬頃からはじまり三月下旬までつづく。夏は、小笠原高気圧の影響をうけて、冬とは全く反対の南寄りの風となり、冬の季節風ほど顕著ではない。冬と夏の季節風が交代する春秋には、気圧配置によって風向がかわり、移動性高気圧圏内では、夜間は北寄りの風が、日中は南寄りの風に変わる。また、前線の通過時には風向が急変したり、突風が吹いたりする。年を通じて風向をみると、地形の影響により各地特有の風向がみられるが、湯津上村地方での年最多風向は南南西である。風速の日変化は、気圧配置や季節風によって異なるが、朝おそくなって吹き出し、午後強まり、夜間弱まる。季節的には、冬から春にかけて強まり、夏が弱い。最大風速の極値は台風時、次いで春の突風時が大きい。大田原気象通報所で観測された日最大風速は、一九六六年九月二十五日の二一・八メートル毎秒である。
第6図 湯津上の風配図(佐良土小科学クラブ調)