明治時代に外国との交流が盛んになり、外国から植物の種子が、人や荷物などに付着し、知らない間に方々に散らばりはびこった。
また、牧草など栽培植物の逸出がある。初め牧草として栽培したものが、路傍のあき地などに広がったものである。牧草種子に雑草種子が混入して輸入され、それらの雑草が帰化することも多い。
当村には、三十種余りの帰化植物がある。
オランダガラシ(タカナ)・セイヨウタンポポ・オランダゲンゲ(レンゲソウ)・シロツメクサ・アカツメクサ・ヒメジョオン・ハルジョオン・アメリカセンダングサ・アレチノギク・ヒメムカシヨモギ・アメリカアリタソウ・オオアワダチソウ・タンドボロギク・ハキダメギク・ブタクサ・オニノゲシ・ヒメスイバ・ヘラオオバコ・オオイヌノフグリ・タチイヌノフグリ・ツメクサ・イタリアンライグラス・ノボロギク・キショウブ・カモガヤ・ハルガヤ・ハリエンジュ・アレチマツヨイグサ・コニシキソウ・ムラサキカタバミ・オオケダテ・オオアワガエリなど。
これらの帰化植物にはイネ科、キク科の植物が多い。一個体が生産する種子の数も非常に多い。キク科植物などは、冠毛をつけた種子によって驚くほど遠くへ飛び散って、一挙に大繁殖したものであろう。最近、新聞紙上をにぎわしたケサランパサランという宇宙からの使者があるが、ノアザミやノハラアザミの種子のとれた冠毛を見て、ケサランパサランと誤認している者が多い。
ヒメスイバ・ヘラオオバコは中の原に多く見られ、牧草の種子に混入してきたものが繁殖したものと思われる。
ブタクサ・オオアワダチソウのように有害な帰化植物もある。ブタクサは北米原産で、風媒花のため、花期には多量の花粉が風で付近一面に飛ばされ、これを吸うと気管支ゼンソク・結膜炎・アレルギー性鼻炎などの花粉病を起こすと言われている。
オオアワダチソウ
一方、オランダガラシ(タカナ・クレソン)のように、食用植物として古くから人々に親しまれている例も少なくない。