サギソウ

33 ~ 33
 日の当る原野、丘陵地の湿地に生え、夏、純白の花びらを開かせながら、吾が世の春を謳歌するさまは、白サギが羽を広げてここを先途と、乱舞する容姿によく似ている。
 開拓農協事務所前の湿地に、わずか残っていたサギソウも、乱獲者のあさましい収集欲の結果、絶滅してしまい、自然のバランスは完全にくずされてしまった。心すべきは、人間の心の中に巣食う独占欲である。

サギソウ