工事の際に発見された遺物には、瑪瑙(めのう)質の勾玉(まがたま)二、短甲(たんこう)一、鉄鏃二〇余、鉄斧二、鹿角製鐔付剣(ろっかくせいつばつきけん)二などがある。現存している鉄斧は袋状のもので五世紀代のものであろう(第32図・第33図)。鐔には直孤文(ちょっこもん)を彫刻し、朱が彩色してあった。これらは湯津上小学校に保管されていたが、校舎の火災によって消滅してしまった。遺物によってこの古墳の時期を想定すると、五世紀末から六世紀初頭にかけてのものと考えられる。
第32図 岩船台古墳出土の鉄斧
第33図 岩船台古墳出土の鉄製品