上侍塚古墳の北方約七〇〇メートルのところに下侍塚古墳(国指定史跡)がある(第36図)。上侍塚古墳と同様に那珂川右岸の段丘上に位置するが、段丘端よりかなり内側に入り、ほぼ南面して築造された前方後方墳である。全長は八四メートル、後方部は方形で一辺四八メートル、高さ九・四メートルであり、前方部は幅三六メートル、高さ五・〇メートルである。後方部の墳頂は東西八メートル、南北一二メートルの長方形が平坦となり、徳川光圀らによって発掘された跡が浅い凹地となって残っている。葺石がみられ、周湟が認められる。
第36図 下侍塚古墳の全景(東方より)