昭和四十八年全世界を襲った石油ショックは、エネルギーの九九%までを輸入に頼るわが国に殊に大きな恐慌を与え、消費は美徳とさえ言われた高度成長期の生活に大きな反省をもたらし、世は一転して資源有限を叫ばれる時代を迎えている。しかし、その後ようやく落着きを取戻した最近の世相は、のど元過ぎれば熱さを忘れる―の感なきにしもあらずと言えようか。一方米の生産過剰による減反政策の強行は、農家は米さえ作っていれば暮せるという従来の農民意識をくつがえし、今後の農業経営に大きな課題を投げかけている。
石油ショック以後