クルマナガモチ
縫いものはすべておはりと呼ばれる和裁で、女たちのかかせない仕事であったため、娘時代に村内のおはりやと呼ばれる家へ、この道の熟練者「おししょうさん」を師として、おもに農閑期に習いに通った。おはりの教程は、ヒトツミ→ミツミ→ヨツミ→ホンダチと組まれていた。
このおはりを習うということは、花嫁修業の一つであり、嫁入り前の娘たちにとっては、大切な教養を身につけることであった。
洗濯は近くの川で、サイカチの実などを利用して行なった。髪洗いや葉煙草作業で「やに」のついた手を洗うためには、亀久の地方で採れる洗い粉(白土)を用いた。