漬(つけ)物 漬物を一般にコウコと呼んでいる。漬物の種類には、味噌づけ・糠(ぬか)味噌づけ・塩づけ・粕(かす)づけ・浅づけ(簡単につけてすぐたべる)・切りづけ・タクアンづけなど数多くあるが、四季折々の新鮮なものと、ほぼ一年を通じて食べられるものに大別することができる。また、漬物は毎食欠かすことのできないおかずであったので、どこの家でも二種類ぐらいは備えておいた。
カンピョウ・イモガラ 栃木県のカンピョウは有名であるが、本村でもツユが明けると、庭先などに白いひもをなびかせて、カンピョウを干している家を多く見かける。当地域では自家用程度の栽培であるため、カンピョウむきは、昔ながらの果実を輪切りにして、内側からカンナでむいてゆくという方法で行なわれている。
イモガラも秋の間に干し、冬になって菜が不足する頃、水でもどしてやわらかくしてから、煮ものにしたり、味噌汁に入れたりする。特にイモガラとサトイモの親子汁は、身も心もあたたまる古里の味である。
その他、柿・とうがらしなども軒先に吊るされ、冬の茅茸きの家屋にいろどりを添えていた。