食器と食事の場

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食器は、銘々膳としての箱膳が用いられ、その中にはメシワン(セトモノ)一・汁ワン(木製)一・オテショと呼ばれる小皿一・竹箸一膳が格納されていた。振舞(ふるまい)ごとといわれる晴の日の食器は、高足膳や会席膳で、塗り物のメシワン・ツボ・ヒラがこれらの膳にのせられる。

高足膳

 かまどはヘッツイとも呼ばれ、古くは土製、近世になってからは切石積みのものが多くなった。それに大釜をのせ、馬用にし、また隣に家族のものと並置する。みそを炊く大豆を煮るときはこの大釜を用いた。釜(かま)や鍋(なべ)の材質は鉄である。

カマド(ヘッツイ)

 食事の場は、勝手(かって)に隣接する板の間で普段の食事が行なわれる。主人の座るヨコザを基準に膳を並べ、主婦や嫁は仕事のしやすい炊事場の近くに位置した。

食事の場