(2) 家屋配置

472 ~ 473
 一般に屋敷内には、母屋(おもや)・納屋(なや)・蔵(くら)・乾燥小屋・木小屋・灰(あく)小屋・味噌小屋・肥料舎(便所を含む)等が配置されている。ただし、これらは全部各家にそろっている訳ではないし、また配置も一定している訳でもない。
 納屋は、この地方ではアマヤと呼ばれ、いろいろな農具や藁(わら)などが置かれたり、作業場として利用されたりする。
 乾燥小屋は、一昔前まではタバコの乾燥が主目的であった。現在は納屋と同じであり、農機具を格納し、あるいは乾燥機等も設置されている。
 蔵は板蔵の場合もあるが、普通石蔵であり、二つ所有する家もある。

板倉

 灰小屋は、この地方では、籾殻(もみがら)で炊くごはんが一番おいしいと言われ、その火の後始末をするためのものであるが、釜場のそばでなく、母屋から離れた出入口に近い所に設けられる場合が多い。
 肥料舎や納屋だけは、母屋前方の見通しのきく、また広庭につながる所に位置している。