年祝いには、六〇歳の還暦・七七歳の喜寿・八八歳の米寿・九九歳の白寿祝いなどがあり、いずれも親の長命と健康を祈って子や近親の者が催す祝いである。この地域では七七歳の年祝いをシチボコイワイ・八八歳の年祝いをハチボコイワイと称するのが普通である。シチボコイワイには、七夕(たなばた)の日につくった火吹き竹を近所や親類縁者に贈るならわしがあった。現在にも火吹き竹は魔除けであるという俗信が言い伝えられている。ハチボコイワイには、赤飯をたき餅をつき、八八歳の当人は赤い帽子とチャンチャンコを着て祝うのが普通であるが、祝ってしまうと先が見えてしまうという不安からか、シチボコイワイを年祝いの最後にする場合もある。