神葬祭

514 ~ 515
神道(しんとう)における葬式であるが、枕飯に箸を立てない・神棚をかくさない・魔除けには刃物(昔は刀を用いた)・箒などのほかに稲穂を用いることがある・告別式当日も魚を食べてもよい・念仏はしないなど葬式の様式以外にも多少の相異がある。神葬祭では、三宝に米一升・大豆・小豆・塩・水・野菜・魚を盛り、神棚に供え、ネギサマ(神主)が榊(さかき)できよめをした後、出棺となる。役付は仏葬式と同様血筋に順じて決められる。野辺送りの葬列編成は、昔の殿様の行列に習ったものだという言伝えがある。また施主は位牌ではなく、神主にお祓(はら)いをしてもらった奉幣を持つしきたりであるが、この奉幣は埋葬後墓にさし立てて帰る。
神葬祭葬列役付
先駆故人の子・孫など
眞榊
高張
先旗
時の花
造花
五色花親族が持つが、親族の多少や葬儀の規模によって省略変化する。
高燭
各旗
高案
供物故人の子・孫など
霊膳故人の妻または相続人の妻
奉幣施主
前の綱近親者
組内の者
絹傘相続人の弟
墓標故人の甥
後駆故人の兄弟
玉串組内の者

 遺体の埋葬は柩をかついた人がする。墓地から帰った者は塩で身をきよめて家内に入る。