死に関する俗信

515 ~ 515
死の予兆として「カラス鳴きが悪いと誰か死ぬ」「人魂が飛ぶと死人がでる」「各人の星が丑寅(東南)の方向にきていると生き別れや死に別れがある」「夢知らせがある」などさまざまな俗信がある。同年齢の死者がでると耳ふたぎ餅といって、餅やせんべいで耳をふさぎながら「いいこと聞け、悪いこと聞くな」と三回唱えて川に流した。また、一家族の中で一年間に二人の死者がでた場合、藁人形などをつくり、人形にあわせてつくった棺に納め墓地に埋葬する。これはその家族中から死者が出ないようにとのまじないである。その他、「死者の魂は四九日間屋のむねを離れない」との俗信があり、この間にワカヨセ(口寄せ)を近所のワカサマ(死者の霊を呼び、自分の口をとおしてその心を述べさせるなどの特殊能力を持つ人)に頼んで行なったこともあったという。