近年栃木県が首都圏の仲間入りをするに及んで、生活近代化・都市化の波が容赦なく県内の農山村にも押し寄せ、茅屋根をトタン屋根に変え、いろりの火が消され、自在かぎが資料館の展示物になっていたりする。わが湯津上村もその例外ではない。しかし、村内を仔細に調べてみると、古俗をとどめる年中行事が生き残っていたり、伝承として古老の脳裏に深くきざみ込まれている例が多い。これらの旧態をとどめる年中行事の中には、今に生きる我々になんらかの示唆をあたえるものも少なくない。
以下は、古くから行なわれていた年中行事のおもなものであるが、現在では簡略化されたものや、失なわれてしまったものもかなりある。