この行事は正月二十日と十月二十日に行なわれ、どちらの場合も同じ内容であるが、正月二十日は商人の恵比須講、十月二十日は農家の恵比須講といわれている。
この日は一日仕事を休み、夜に恵比須様をおまつりするための準備をする。床の間などに、恵比須・大黒の掛軸を飾り、赤飯・尾頭付き・酒など御馳走を盛った膳、小銭や財布を入れた一升マス、器に入れたフナを供え用意しておく。その際膳は脚が横向きになるように置く。
やがて一家で夕食のとき「いくらいくらで買います」と言って供え物をさげて食べた。また、フナは翌朝川に放されるが、この時上流にのぼれば幸運の前ぶれとして喜ばれた。