ばかな息子のおっかさんはほかへ行ったらお茶が出っから、お茶があんまりあついときにはまごまごしてねえで、そのたくあんをお茶碗に入れてかんまして、ぬるくしてから飲むんだ。」と普段から言い聞かせていた。あるとき嫁の家へ行って夕飯をよばれ、お風呂に入った。嫁は「あつうますか、ぬるうますか。」と聞くと、ばか婿は「あついからたくあん持ってきてくろ。」と頼んだ。嫁はびっくりして「せいふろでおごうこ(漬物)どうすんの。」と聞くと、「いいから一本持ってきてくろ。」という。嫁がしかたなくたくあんを持ってきてやると、婿はたくあんでお湯をかきまわして呑んでしまった。