侍(さむらい)に化けた蛇

525 ~ 526
ある夜、娘の部屋へ立派な侍がしのんで来て、「婿にしてほしい」と申し込んで来た。それから侍は毎夜のようにあらわれた。しかしこの侍には不思議なにおいがあるので、おかしいと思った娘は母親に相談した。その結果侍の着物に針を刺しておいてみようということになり、娘は母親に教えられたとおり、着物のおくみの先へ家にある針を全部さしておいた。次の日裏の池でとても大きな水の音がしたので、行ってみたところ大蛇が死んでいた。その晩から侍は来なくなった。