するすというゴロリンゴロリンまわして粉をひく道具がある。あるとき、近くに誰もいないと思ったのか、ねずみが出てきてするすをまわし、「ゴロリンゴロリン、猫さんいなぐれば極楽だ。はあ、テンキポンキテンキポンキ」と唱えながらひいたところ、粉ではなくなんと小判がジャランジャランと出てきた。そこの家のばあさまが、納屋のすみのほうでこれを見て、猫の鳴き真似をした。「ニャー」と声を出したら、ねずみは驚いてみな逃げてしまった。さっそくするすのところへ行ってみるとあんのじょう小判がザラザラ残されていたので、ばあさまはそれを全部ねこばばしてしまった。