佐良土に城の内と呼ばれる地がある。人の伝えるところによれば、那須修理大夫資晴がこの地に館を築くとき、どこの娘かあきらかではないが、お花という娘をこの館の人柱として生埋めにしたという。ところがその後、お花の亡霊があらわれて館内の者をおびやかすので、館の東北隅にささやかなお宮を建てて祀ったという。このお宮に祈願すると、ことごとく成就するとあって、明治の初めごろまで、よく人々が参詣祈願したという。のちにこのお宮は法輪寺本堂の西北数メートルの所へ移されたそうである。(『湯津上村連合職員会郷土研究』)
お花観現(ごんげん)