すなわち衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の議会の議員および長の選挙に関する総合的統一法（昭和二十五年法律第一〇〇号）すなわち、それまでは国会議員の選挙法としては〈衆議院議員選挙法〉と〈参議院議員選挙法〉の二本建てだったのを一本化し、さらに地方公共団体の長および議員の選挙法をも統合したものである。
　その目的は、日本国憲法の精神にのっとり、これら公職を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表現せる意思によって公明かつ適正におこなわれることを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することにあるとされている（公職選挙法第一条）。
　その内容としては、日本国憲法が国会議員についてその定数（日本国憲法第四三条）、選挙権および被選挙権（同法第四四条）、選挙区・投票の方法その他の事項（同法第四七条）を法律の規定にゆだねているところから、これらの事項を中心とする。すなわち、選挙権、被選挙権、選挙区、選挙人名簿、選挙手続、選挙争訟、選挙運動および罰則等、選挙に関するいっさいの事項に及んでいる。
　本法はその制定以来、とくに選挙運動に関して数度の改正を経たが、そのほか、参議院制度、知事公選制、小選挙区制等の改革が唱えられており、これらの問題は必然的に本法の改正に連なるものである。